この2人が目指すものは、事実上の皇帝政治の復活だ。今回の改憲の目的は、中国の権力の私有化と、国民の財産の公有化を目指すものと言っていい。腐敗の摘発を名目に収公された財産は、結果的に権力者たちが私物化することも申し添えておこう。
これはワイマール体制の末期のヒトラーや、戦前の日本にも似ている。極端な軍国主義とナショナリズムと権力欲にもとづく、完全に、世界の他の文明国家の常識とは異なる政治の革命がおこなわれているのだ。
習近平は生涯に亘り引退せず、2035年までに党と国家のすべてを支配下に置くことを目指している。そして2050年までに世界各国に中国型の社会主義を輸出し、全世界を「中共化」。すなわち中国共産党の影響下に置くことを考えている。
手近なところでは、まずは香港・マカオ・台湾である。中国共産党はいま現在も、これらの地域の政治・経済・資源に厳格なコントロールを加えて、「中共化」をどんどん進行させている。この3地域は中国の対外拡張のプラットフォームなのだ。
そして、先進国のターゲットとして欧州・北米・日本が設定されている。中国共産党は各国に対して、私の言うところの「BGY」(青金黄色)とも呼ぶべき工作を仕掛けて「中共化」を進めていく。
昨年まで、私が西側各国の人間に対してこうした話をしても誰も耳を傾けなかったが、今年に入りアメリカを含めた数か国の政府関係者から尋ねられるようになった。では、このBGYとは何を指すか?