◆秘密を握りあう

 さらに伊藤氏によれば、この会社の新卒採用第1号は、「悪質タックル」を選手に指示した井上奨・前コーチで、続いてアメフト部OBや、田中理事長が総監督を務める相撲部のOBなどが入社したという。日大関係者が言う。

「事業部で企画販売する『日本大学特製バウムクーヘン』は、商品に社名こそ出ていませんが、大阪にある井上氏の実家の菓子店が納入していることは内部では知られた話です。

 今回の騒動が、“日大全体の問題”というのは言葉のアヤで言っているのではない。内田氏や井上氏ら騒動の当事者たちは、事業部のビジネスを通じて、田中体制を支えてきた人たちでもあるのです」

 国民的なバッシングを浴びながら田中理事長が内田氏の責任を明確にしなかったのは、そうした複雑な事情があるからではないのか。日大事業部に役員の選考基準やアメフト部前コーチの実家が取引先になっている理由などについて問うたが、締め切りまでに回答は得られなかった。

 相撲・アメフトOBを巻き込み、拡大を続けてきた田中体制だが、「悪質タックル」について警視庁はすでに傷害容疑を視野に、捜査員が日大の施設を訪れ、聞き取りを始めている。

 2016年に新設された危機管理学部には多数の警察OBが教授として迎え入れられている。警視庁は内田氏への聴取も始めているが、この局面で警察OBたちが“用心棒”として機能することも、警察からOBへの忖度もあってはならない。

※週刊ポスト2018年6月15日号

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