──そんな存在は、現在のヤクルトには……。
宮本:いないですね。ただそういう選手は、我々指導者が作り上げるものではないと思う。厳しい環境の中で、何年かレギュラーを務めた選手がそういう存在になっていくと思うので。
──若い選手との世代のギャップは感じますか?
宮本:感じますね。だから選手個々の性格を見て、接する態度を変えているつもりです。たとえば一度、西浦(直亨)を強めに叱ったことがあるんですけど、一気に落ち込んでしまったんです。強く言っても向かってこられるタイプかどうか、考えてから指摘しています。
石井:僕たちの「昭和」の時代はやれと言われたらやり続けるしかなかった。理由なんてありませんでした。
宮本:今の子たちには「説明」がいるからね。
石井:厳しい練習を課すにも、なぜその練習が必要なのかを説かないといけない。
宮本:さらにやる気にさせる必要がある。「頑張ろうね!」って(笑い)。
石井:言葉も選ばなければいけない。ヘッドは相当、我慢していると思いますよ。