「1年365日、毎晩4時間おきに目を覚まさねばならないのが、これほど辛いとは思っていませんでした。退院後、目覚ましの音に気づかず、ビショビショになった布団で目を覚ましたときには、愕然としました。妻からは『夜だけでもオムツをしてはどうか』と言われましたが、屈辱感もあって、そうする気にはなかなかなれません」
Mさんはオムツを拒んだ。4時間おきに起きるため、2つの目覚まし時計を使い、妻は別室で寝る。睡眠不足のため、ボランティアも辞めてしまった。
「今は失禁の恐怖で2、3時間おきに目が覚めてしまうんです。熟睡していないので、昼間も頭がぼーっとして、子供たちと遊ぶ気力が湧いてきません。病気は治っても、元の生活は戻ってきませんでした」
※週刊ポスト2018年6月15日号