問題のある人間が勤務する(した)会社に対して「なんであんな奴を雇ったんだ!」とクレームが殺到する時代ではあるが、人事からすれば「そんなの見抜けるかよ! ヤバい奴だと面接段階で分かる機械をお前が作ってくれたら買ってやるから営業妨害やめろ! もう、朝から電話が鳴りやまずに仕事にならねぇんだよ!」や「有能だから雇ってるんだ。人の会社の経営に口出しするんじゃねぇ」と言いたくなるだろう。

 世の中は自分にとって気に食わない意見で溢れている。

 それは当たり前のことだ。安倍晋三支持派と反アベ派は経済政策でも外交実績でも絶対に意見の一致を見ない。家を買った人間と、賃貸住宅居住を貫く人間でもどちらが一生を考えたら得か、という点では理解し合えることはない。あくまでも自分が支持する側、そして自分が選択したものを支持せざるを得ない。これが人間の性である。

 冒頭の「働き方」について同社社員の意見が気に食わない人がいるのは分かる。じゃあ、この社員を解雇にまで持っていくことに何の意味があるのか。

 実際問題として、何の意味もないのである。義憤に駆られて世直しをしているつもりになるのかもしれないが、意見の合わない人間などウジャウジャ世の中にいる。というか、好意を持たない人間の方が世の中には圧倒的に多いわけで、そんな人間の意見が安易に自分の目に入ってしまう時点でネットというものは罪作りだ。頭から湯気を出している人間には「お前はネット断ちしろ」と助言をしたい。余計な意見など目にしない方があなたのためになる。

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