ただ、こうした通報扇動家は、相手に背負うべき組織がない場合は滅法弱い。その発言をした人間個人と議論すれば負けるから、所属する組織に対して恫喝をする。
だからこそ企業も「言論の自由はありますし、成績を出しているだけに……。本人に直接文句言ってください」と対応すべきなのだ。それこそ成熟した社会のありようだ。過激発言であろうとも、明らかな差別発言ではない場合は、いちいち組織と個人を紐づける必要はない。
●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など。
※週刊ポスト2018年6月22日号