ライフ

重度の「歯周病」は本当に抜歯するしかないのか?

間違いだらけの検査と治療に注意(歯周ポケット検査の様子)

 日本人の抜歯原因1位が「歯周病」だ。にもかかわらず、患者を惑わせる様々な“嘘”や“誤解”が蔓延し、検査や治療が必ずしも適切に行なわれていない実態がある──発売即重版の話題書『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏が“歯周病治療の罠”を告発する。

 * * *
 取材で驚いたのが、“抜歯の判断は、歯科医によって異なる”という点だ。歯周病治療のリーダーとして歯科医たちを指導する弘岡秀明氏(スウェーデンデンタルセンター・院長)はこう話す。

「一般的に歯根を支える組織(歯槽骨)が、3分の1になると、抜歯と判断する歯科医が多い。歯を残すスキルがない歯科医は、抜歯する方が簡単なのです。しかし、歯根が3ミリ程度しか歯槽骨に入っていない状態でも、歯を残せる場合もあります。歯科医のスキルと、患者の毎日の努力が必要ですが」

 つまり、同じ重度の歯周病でも、担当する歯科医によって、歯の運命は変わってしまうのだ。

 ある60代男性は、5年間も歯周病治療に通いながら、大きく歯が動揺するようになり、次々と抜歯されて、上顎が入れ歯になってしまったという。このように歯周病治療をせず、安易に抜歯されてしまうケースは珍しくない。

「歯周病菌は、酸素があると生存できない嫌気性で、歯周ポケットの中に入り込み、バイオフィルム(様々な種類の細菌が集まった、粘着性の菌膜)として定着します。だから定期的に、専門クリニックで歯周ポケットの管理をすることが重要です」(弘岡氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉のビジネス専門学校へ入学しようと考えていたという
「『彼女がめっちゃ泣いていた』と相談を…」“背が低くておとなしい”浅香真美容疑者(32)と“ハンサムな弟”バダルさん(21)の「破局トラブル」とは《刺されたネパール人の兄が証言》
約2時間30分のインタビューで語り尽くした西岡さん
フジテレビ倍率2500倍、マンション購入6.2億円…異色の経歴を持つ元アナ西岡孝洋が明かす「フジテレビの看板を下ろしたかった」本当のワケ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。アルバイトをしながら日本語を学んでいた
「ホテルで胸を…」11歳年上の交際相手女性・浅香真美容疑者(32)に殺害されたバダルさん(21)の“魅力的な素顔”を兄が告白【千葉・ネパール人殺害】
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン