ビジネス

紅茶もコーラもビールも… 増える「透明飲料」がウケる理由

コーラもビールも透明に(撮影/浅野剛)

 6月11日に『コカ・コーラ クリア』(日本コカ・コーラ)が、同19日にはノンアルコールビールテイスト飲料『オールフリー オールタイム』(サントリービール)が登場した。これまで、紅茶やラテなどが無色透明になって驚かされたが、透明化の波はおさまりそうにない。

 それにしても、コカ・コーラといえば黒褐色なもの、だったが、そう簡単に透明に至りはしなかったようだ。

「『コカ・コーラ クリア』は日本で企画され、米国本社で開発されました。長年親しまれているコカ・コーラ独特の液色にはカラメルが不可欠ですが、透明にするにはカラメルが使えません。そこで、さまざまな原材料、フレーバーを吟味し、50種類以上のサンプルを作り、目新しさを追求したのです」(日本コカ・コーラ 広報部)

 もう一方の『オールフリー オールタイム』についても聞いてみた。透明にした、その理由は?

「ノンアルコールビールテイスト飲料の飲用シーンを、仕事中などのオンタイムにも拡げるべく開発しました。これまでのノンアルコールビールテイスト飲料は缶が主流でしたが、見た目が“缶ビール”ではオンタイムに飲むことに抵抗を感じるかたもいる。その点、ペットボトルが最適ですが、液色が見えてしまい、その液色がビールをイメージさせてしまう。そこで、中味も見た目も透明にする必要があったのです」(サントリービール・大津亮さん)

 このように、クリア飲料が続々と増えている理由について、トレンド総研の福田結生さんはこう語る。

「見た目は水なのに、味が違うというギャップが消費者にウケていると思います」(以下「」内、福田さん)

 2010年に発売された『い・ろ・は・す みかん』から始まったこの動きは、徐々に広がりをみせた。

「ラテや紅茶が透明だという斬新さから、一度は試してみたくなり、飲んだらSNSでシェアしたくなる。その流れがうまく機能しているのではないでしょうか」

 さらには、人目を気にする 日本人の気質も関係ありそうだ。

「メーカーはオフィスでの飲用も想定していますが、仕事中にジュースを飲むのは、おやつを食べているようで気が引ける。恥ずかしいという意見もある。その点、水のように透明であれば、周囲の目を気にせず飲みやすいという声も多いのです」

 ちなみに、イギリスでは昨年、色のないコーヒーが発売された。

「“歯にステインがつかない”のがウリの商品です。欧米は歯に対する意識が高いので、そういう打ち出し方をしている。日本もカフェラテ、紅茶などステインがつきやすい飲料に関しては、クリア飲料を常飲する理由になると思います」

 なるほど、今後もますます透明化が進みそうだ。

※女性セブン2018年7月19・26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
“もしトラ”リスクも…(写真/AFP=時事)
【緊迫する中東情勢】イラン・イスラエルの報復合戦、エスカレートすれば日本にも影響 “もしトラ”リスクが顕在化
週刊ポスト