国際情報

「中国人民解放軍は平和ボケ」軍機関紙が異例の体質批判

機関紙が異例の軍批判

 中国人民解放軍機関紙「解放軍報」(7月1日付)は「中国人民解放軍はここ数十年間、戦争を経験していないため、『平和病』にかかっている」と指摘。また、軍幹部の腐敗を挙げて、軍の体質を強く批判する社説を発表した。軍機関紙が社説で、軍そのものを批判するのは極めて異例で、軍最高指導者の習近平・中央軍事委員会主席(国家主席)の意向が強く反映されているのは確実。それほど、習氏が軍の体質を危惧していることが明らかになったといえよう。

 この社説は「政治の自覚を強化し、『平和病』を根治する決心を! 平和ボケを直し戦争の準備に傾注することを論ず」と題するもの。

 社説はまず「『習近平主席は軍隊は戦闘のための部隊である』などと真剣に主張してきた」などとしたうえで、「しかし、問題は我が軍は深刻な平和ボケにかかっている」と述べて、「軍の戦闘能力は標準以下に落ち込んでいる」と指摘している。

 さらに、続けて社説は「このような悪い病気を根治しようとの固い決意をもたなければ、実際に戦争が起きたときに、必ずや高い代価を払わされるであろう」とも強調して、強い危機感を明らかにしている。

 中国軍は日中戦争や国共内戦、その後の朝鮮戦争、インドとの紛争、ソ連軍との衝突、ベトナムとの紛争などを経験しているが、その後は約40年間、実際の戦闘を経験していない。

 習氏は2012年秋に党中央軍事委主席に就任して以来、「号令がかかれば集まり、集まれば戦争の準備をし、戦えば勝つ」との軍の基本原則を発表して活を入れ、翌年からは毎月のように長期間の実戦形式の軍事演習を行わせている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン