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【著者に訊け】小森健太朗氏 『中相撲殺人事件』

小森健太朗氏が『中相撲殺人事件』を語る

【著者に訊け】小森健太朗氏/『中相撲殺人事件』/南雲堂/1700円+税

 ネット上で再注目される奇書『大相撲殺人事件』(2004年)から、早14年。『中相撲殺人事件』とは、いよいよ人を食っている。

「アハハ。前作はタモリ倶楽部の『ウラスジ大読書会』(文庫の裏表紙の粗筋、今年5月放送)で話題になったり、昨年になって急に増刷がかかったりしましたね。実は既に文春電子版では『小相撲殺人事件』も配信中で、千代楽(ちよらく)部屋の一人娘〈聡子〉やハワイ出身力士〈幕ノ虎〉が巻き込まれる事件の規模も大中小の順で小さくなる予定。要はエラリー・クイーンのXYZ(の悲劇)みたいなものです」

 現在、近畿大学で教鞭も執る著者・小森健太朗氏は『探偵小説の論理学』等の評論でも知られ、ミステリとは構造を楽しむ第一級の知的ゲームだとの信念が、行間からは滲み出るよう。中学生相撲を強引に中相撲と呼び、「中くらいの事件」を全6編に続発させたこの続編でも、江戸期の最強力士・雷電の降霊騒動あり、闇賭博の船上相撲ありと、さらにブッ飛んでいた!

 それこそ文庫版の粗筋に〈角界に吹き荒れる殺戮の嵐〉とある前作では、現役横綱を含む計24名が死亡し、〈立合いの瞬間、爆死する力士、頭のない前頭〉等々のウラスジからは想像しえない本格推理劇が展開された。その半年後を描く本作でも、才気煥発な高校生・聡子や、勘違いがきっかけの入門後、関脇まで出世した幕ノ虎こと〈マーク〉、入門6年目で未だ幕下の〈御前山〉が探偵役を務め、奇想天外な6つの事件に挑む。

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