ファーストリテイリングはジーユーだけで売上高1兆円を目標としていますが、トレンド品偏重のジーユーが1兆円に達することは、今後海外出店が増えたとしても極めて難しいのではないかと思います。
トレンド対応ブランドとして支持を集めている「ZARA」の全世界での売上高は2018年1月期で約2兆2400億円ありますが、同じトレンド対応と言っても、ジーユーとではその中身が異なります。
ZARAはパリコレなどに出品されている高級ハイブランドのトレンドを完全コピーするため認知が世界的に共有されやすいのに対して、ジーユーは日本のマストレンドを一早くキャッチして商品化するため、世界的な共通の認識にはなりにくいといえます。
2015年夏にジーユーが100万本を販売して大ヒットした「ガウチョパンツ」という商品がありましたが、これは日本独自のトレンド品で、仮にあの当時にジーユーがグローバルにこれを販売したとしても日本以外ではさっぱり売れなかったでしょう。
今後、日本国内ではジーユーはジリジリと売上高を伸ばすと見ていますが、今の体質のままで売上高1兆円を達成するのは不可能に近いと見ています。
ファーストリテイリングがどのようなかじ取りをするのか注目したいと思っていますが、いずれにせよ2000億円に到達したジーユーが大きな岐路に差し掛かっていることは間違いありません。