彼らの多くは、現地の日本語学校や留学斡旋業者を経由して、日本に留学している。学校に通いながら、アルバイトとしてコンビニで働くのだ。彼らがアルバイト先にコンビニを選ぶ理由を聞くと、ある程度覚えてしまえばオペレーションが比較的単純であることや、仕事を通じて日本語がうまく話せるようになることのほか、「廃棄弁当をもらえるので食費を浮かせられる」といった声も聞かれた。先輩の留学生からコンビニを勧められることも多いようだ。
積極的に、外国人スタッフを“育成”するコンビニもある。
ローソンはベトナムと韓国に計5か所の研修施設をつくり、レジ打ちや接客など、店舗作業の事前研修を行っている。ローソンの店舗スタッフ向けに人材派遣業務を請け負っている関連会社・ローソンスタッフでは、日本に来た留学生に対して最低30時間以上の実地研修を行いながら、日本語能力に応じて職場を紹介するという。ローソンはベトナムで2009年から奨学金制度も始めている。
【PROFILE】芹澤健介(せりざわ・けんすけ)●1973年、沖縄県生まれ。横浜国立大学経済学部卒。ライター、編集者、構成作家。コンビニを軸に日本の外国人労働者の現状をレポートした近著『コンビニ外国人』(新潮新書)が話題。
●取材・構成/岸川貴文(フリーライター)
※SAPIO2018年7・8月号