ビジネス

巨大ターミナル・新宿駅のライバルとして急浮上した品川駅

乗降客数世界一としても知られる新宿駅

 一日あたりの乗降客数が世界一の新宿駅は、誰もが認める巨大ターミナル駅だろう。一方、江戸時代から東海道五十三次宿場としての歴史をもちながら、駅としては地味だった品川駅は、リニア中央新幹線の起点になることが決まり、その発展から目が離せない存在となった。『ライバル駅格差』(イースト新書Q)著者の小川裕夫氏が、著書でも取り上げた新宿駅と品川駅について、そのライバル関係について考えた。

 * * *
 いまや高層ビルが連なる副都心となった新宿駅。その歴史は、1885年に日本鉄道が駅を開設したことに始まる。

 開業当時の新宿駅は、東京のはずれに位置した。新宿という駅名は、駅よりも内側にあった宿場町・内藤新宿に由来する。その頃の新宿駅は、まだ場末だった。

 新宿駅は世界一とも言われるほど、一日の利用者数が多い。それゆえ、駅も大きく発展している。駅東口には、大資本による大型店舗が並ぶ。

 そうした大型の小売店や高層ビルの隙間に、小さな店舗がひっそりと残っている。小さな店が密集する新宿ゴールデン街の権利関係は複雑だ。それらは、戦後の焼け跡時代に組が思い思いに商売を始めたことに起因している。

 同様に、不夜城の異名をとる歌舞伎町も戦後に誕生した。新宿の地主だった鈴木喜兵衛は、新宿駅東口一帯を健全なエンターテイメントシティにするべく奔走。鈴木は、東京都職員として都市計画を主導していた石川栄耀に相談した。

 石川の助力もあって、周辺エリアは健全な娯楽街として計画をスタート。同地には歌舞伎座の誘致が検討された。そうした願いを込めて、町名は「歌舞伎町」と改められた。歌舞伎座の誘致は未完に終わったが、同地は日本屈指の歓楽街として順調に発展した。

 一方、西口には明治期に造成された淀橋浄水場があった。新宿西口の開発計画が本格化するのは、1950年代に入ってからだ。1956年に首都圏整備法が成立し、1960年に新宿副都心計画が決定。副都心開発のトップランナーは、京王プラザビルだった。

 京プラの開業から副都心開発は段階的に進み、1991年には都庁舎が有楽町から西新宿へと移転。2万人を超える都庁職員の職場が有楽町から西新宿へと替わった。都庁舎の西新宿移転は、平成のミニ遷都とまで形容されるほどの規模だった。

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン