日本橋交差点を今度は銀座方面へと曲がり、中央通りを走る途中で20m地点や中間点を通過。銀座四丁目交差点を右折、日比谷交差点を左折し、日比谷公園を右手に見ながら日比谷通りを南に向かうと、右前方にある東京タワーが徐々に近づいてくる。増上寺前で折り返し、日比谷、銀座、日本橋など、レース前半に通ってきた道を戻って、須田町交差点が30km。神保町交差点を左に折れ、白山通りから内堀通りに入って、皇居外苑の二重橋前で2度目の折り返しを迎える。三たび通過する神保町交差点が35km地点だ。
序盤の6km地点からこのあたりまではほぼ平坦の道が続く。ただし、2回の折り返しを含め、直角や鋭角に曲がるカーブが多いため、選手はコース取りや集団の中での位置取りにも気を配る必要がある。ちょっとしたミスや精神的なストレスが致命傷になりかねない。
水道橋を左折して外堀通りに入り、飯田橋駅のある37km付近から始まる上り坂がコース最大の難関ポイントだ。とくに靖国通りの富久町西交差点手前と、外苑西通りを四谷四丁目交差点へと向かう急勾配は、ここまで2時間近く走ってきた選手たちにまさに大きな壁となって立ちはだかる。もっとも苦しい最終盤の3kmで約30mの高低差を駆け上らなければならず、関係者の多くが、この上り坂を勝負どころに挙げている。
フィニッシュは新国立競技場。おそらく観客は全コースの沿道を二十、三十の人垣となって埋め尽くし、選手に途切れることなく声援を送るに違いない。