国内

桂米丸や杉下茂ら、70年前に体験したサマータイムへの反発

70年前のサマータイム導入日の時計店(共同通信社)

 93歳になった落語芸術協会の最高顧問、4代目・桂米丸師匠が、約70年前の“苦い記憶”を振り返る。

「前にサマータイムが導入されたのは、ちょうど私が師匠・古今亭今輔の前名である桂米丸を襲名した頃でした。“社会全体が能率的になる”という話でしたが、寄席では厄介なことが起きましたよ。始まる時間を勘違いして1時間遅れで会場に来てしまうお客さんが、大勢いたんです。そうしたお客さんたちから、“もう終わっちまうのか”と不満をいわれ、閉口しましたよ」

 大混乱を日本中に巻き起こすことになった原因は、1948年に導入されたサマータイム制度だった。

「占領統治下にあった政府は当時の電力不足を緩和するため、GHQ経済科学局電力班の指示を受けるかたちで『夏時刻法』を制定した。4~9月までの間、時刻を1時間早めるという法律でした(1950年からは5~9月)。ところが実際に導入されると、国民からは不評ばかりで、結局、占領が終わる間際の1952年4月に、わずか4年で廃止に追い込まれました」(経済部記者)

 1951年に政府が行なった〈サンマータイムに関する世論調査〉(※編集注・当時の表記ママ)によれば、「やめた方がよい」が53%と、「続けた方がよい」の30%を大きく上回っていた。だが、70年の時を経て、そんな「不人気政策」が甦ろうとしている。

 その理由は2年後に迫った東京五輪の「暑さ対策」だ。午前7時スタートの男女マラソンでは、選手がゴールする9時過ぎには、気温35度前後に達する見込みだ。“死者が出るかも”といった懸念が百出したことを受け、森喜朗・五輪組織委員会会長が、導入を呼びかけた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン