国内

北海道地震を的中させた専門家、台風との相関を指摘

札幌市では液状化現象で地面が割れ、建物が傾く被害も(時事通信フォト)

 気象庁の統計が始まった1923年以降、北海道内陸部で起きた地震はわずか8回。政府の地震調査委員会が予測していなかった“想定外”の大地震が起きた。しかし、発生の約1か月前に「北海道胆振(いぶり)地方」と地名まで的中させ、再三警告を出していた人物がいる──。

《胆振地方は沈降しています》(7月25日)、《札幌および苫小牧周辺の沈降が目立ってきました。(中略)ひずみがたまっていますので要注意です》(8月1日)、《今まで沈降をしていた札幌および苫小牧は沈降から大きく隆起に転じました。注意が必要です》(8月22日)

 9月6日午前3時8分、北海道を襲った未曽有の大地震の被害は甚大なものとなった。道内全域が停電に見舞われ、震源地である胆振地方の厚真町では、北海道史上初の震度7を観測。同町では大規模な土砂崩れや家屋倒壊が発生した。地震による死者の数は41人(11日現在)となっている。

 政府は補正予算編成の方針を固めるなど対応に追われているが、今回の地震は想定外だった。6月に地震調査委員会は、胆振地方で30年以内に震度6弱以上の地震が発生する確率を26%以下と低く見積もって発表していた。

 そんな中、冒頭のように地震が発生する1か月以上前から、再三にわたり警鐘を鳴らしていた人物がいる。東京大学名誉教授でJESEA(地震科学探査機構)会長の村井俊治氏(78才)だ。

 村井氏は1999年に「第3回国連宇宙会議」で議長を務め、2013年には日本測量協会の会長に就任している“測量学”の世界的権威である。JESEAではその測量学を応用して地震を予測し、「週刊MEGA地震予測」というメールマガジンを毎週配信している。

 村井氏が行う「MEGA地震予測」とは、国土地理院が全国約1300か所に配置する「電子基準点」のGPSデータを用いた地震の予測方法。地表は絶えず動いており、それが短期・長期的に見て上下や水平方向にどれくらい動いているかを分析。過去に起こった地震前の変動と比較して、地震の「前兆」を察知する。

◆驚異的な的中率

「胆振地方は今年6月頃から、地表の沈降が目立っていました。これまでの研究でわかってきたことは、沈降が長く続くのは危険のシグナルで、その後に大地震がくることが多い。なので、7月下旬からメルマガで注意を喚起していました」(村井氏)

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン