実は、公的機関である「国立健康・栄養研究所」が《「健康食品」の安全性・有効性情報》と題し、世界中の研究論文や文献をデータベース化し、インターネットで公開していることは、ほとんど知られていない。
たとえば、冒頭の足立さんが「美容」を目的に摂っていたコラーゲンのサプリ。同サイトにはコラーゲンについての有害事例情報や有効性も記載されていた。
コラーゲンのページを開き、「有効性」の欄から皮膚に関する項目を見ると、6つの実験結果がヒットする。日本国内での実験が4件、海外が2件。そのうち、中国の実験結果では《皮膚の弾力が増加し、肌荒れが減少した》と肯定的な結果が記載されているが、その他は《経皮水分蒸散量、角層水分量、皮膚粘弾性、皮膚画像解析によるシミ、シワ、美容専門家による触診・視診に影響は認められなかった》など、有効性を疑問視する結果が多勢を占めている。
同様に、コラーゲンの「安全性」についても一覧できる。《コラーゲンは皮疹などのアレルギー症状、頭痛、めまいなどを生じる可能性がある》など論文を引用しているほか、実際にコラーゲンで引き起こされたと考えられる「蕁麻疹様紅斑」が現れたケースなどの被害事例も紹介。冒頭の足立さんは、病院での診察の結果、この症状が出たと考えられている。
このサイトでは医学の専門用語が使われているが、それほど難解ではないので安心だ。「コラーゲンって本当に効果があるの?」というコラムも掲載されており、こちらは《コラーゲンを経口摂取した場合の「ヒトでの有効性」については現時点で信頼できるデータが十分に見当たりません》などとの記述が並び、一般人にも読みやすい。
※女性セブン2018年9月27日号