隠すだけでは不充分と感じるなら、死後、自動的にデータを削除してくれるソフトもある。

 例えば『僕が死んだら』というソフト。このソフトは死後に見てほしいデータの入ったフォルダをあらかじめ指定しておく。その後、遺族らがこのアプリを起動したら、見てほしいデータのみが表示され、そのデータを見ている間に同時進行で、見られたくないデータが消去される仕組みになっている。

 こうしたソフトやサービスについても、エンディングノートに書き出しておくといい。

「もし預け先がないようであれば、各専門士業のかたなどと死後事務委任契約を結び、デジタル遺品をしっかりと引き継ぐことができるよう管理しておくといいでしょう」(伊勢田さん)

 残したいものはない、あるのは隠し通したいものだけなら、データを消去するのではなく、パソコンやスマホごと処分するという手もある。

 遺品整理士認定協会が運営する「MISおたき上げステーション」では、郵送されたデジタル遺品を焼却するという。同協会理事長の木村榮治さんは話す。

「800℃以上の焼却炉を使い、宗教家が供養します。ご遺族には、その様子の写真と、完了報告書をお渡しします」

 ドラマ『dele』のある放送回では、ゴシップ誌の男性記者の死後、彼のパソコンが開かれる。そこにあったのは捏造したスキャンダル写真の数々。彼はそれらを愛息の目から遠ざけ、最期まで、そしていつまでもカッコいいお父さんでいたかったのだ。

 面倒だし縁起でもないと思うかもしれないが、遺された人のことを考えると、デジタル遺品をどうするか、今から考えておくべきだろう。

※女性セブン2018年9月27日

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