しかし、このようなアフリカ諸国への莫大な資金援助に対しては、中国内外から批判が多いのも事実だ。
米ジョンズ・ホプキンス大学による「中国アフリカ研究プロジェクト」によると、中国は2000年から2016年まで、すでに1250億ドルもの資金を拠出している。これによって、アフリカ北東部に位置するジブチに、中国軍の初の海外軍事拠点である海軍基地を建設しているが、「コストの割には、中国にとって本国から遠く離れた基地が役に立つかどうかは極めて疑問」との声も出ている。
さらに、最近では米国との貿易摩擦が激化し中国経済に影響が出始めており、対外援助拡大を疑問視する声も表面化しつつある。
習氏の母校、清華大の許章潤教授は7月、「無原則にアジアやアフリカを支援していけば中国国民の生活を締め付けることになる」と指摘。山東大の孫文広・元教授も8月、「中国国内にも貧しい国民が多いのに外国に金をばらまく必要があるのか」などと批判し、当局に一時拘束された。こうしたこともあり、習近平指導部の強権発動に反発が強まりつつある。