その玄室氏をサポートする佐藤さんは、玄室氏が会長を務める公益財団法人の要職にも就くなど、“ただの秘書”よりも頼りにされていることがうかがえる。冒頭のように2人が名古屋を訪れたのも、南山大学で行なわれた「東アジア茶文化シンポジウム」(9月15~16日)に参加するためだった。
◆「執事に聞いてください」
関係者が危惧するのは、2人の親密さに反感を抱く関係者が少なくないことだ。
玄室氏はハワイ大学で学んだ経歴を持ち、思い入れが深い。裏千家はハワイに支部があり、毎夏現地でセミナーが開かれる。この支部で数年のうちに複数のスタッフが辞めているという。裏千家のハワイ支部関係者が明かす。
「現地のセミナーには、佐藤さんも同行します。ハワイ滞在中、カハラにある大宗匠の個人別荘で、一緒に過ごすことも多く、佐藤さんの息子さんご夫婦が別荘を利用したこともあったといいます。かつて別荘には、大宗匠の亡くなった奥さまが集めたアンティークの家具などが置かれていましたが、それが東京で購入された高級家具に次々と替わっていった。佐藤さんがお側につくようになってからのことです。
ハワイ支部には現地在住のスタッフが複数いたが、30年来のベテランも含め、大宗匠と佐藤さんの関係に疑問を感じたからか、退職を願い出た。その後新たに雇った人も、同様に辞めてしまう」
内部からこうした声があがること自体、組織にとって深刻な意味を持ちかねない。