ビジネス

パワーカップルのマンション購入 ローンは年収の5倍までに

夫婦2人で年収1400万円あってもローン返済で家計を圧迫することも

 30歳~40歳代、フルタイムで働く共働き夫婦、そして夫・妻ともに年収700万円以上──こうした夫婦を「パワーカップル」と呼ぶ。そんな世帯がいま、ミニバブル化する都心部や近郊のマンション市場をけん引しているという。だが、一見裕福にみえるパワーカップルのマンション選びに苦言を呈するのは、住宅ジャーナリストの榊淳司氏だ。

 * * *
「パワーカップル」とは、ニッセイ基礎研究所の定義だそうだが、夫婦ともに年収が700万円以上の世帯を呼ぶのだそうだ。世帯年収は1400万円以上ということになる。男性サラリーマンの目標のひとつは年収が1000万円。700万円だと「あと2歩」くらいだが、全体から見れば中の上あたりだろうか。

 それよりも奥さんの年収が700万円超というのが希少ではないか。大手企業のキャリアでないと700万円には到達しにくい。だから、統計数字によると世帯年収が1400万円超は全体の1.8%だそうだ。

 この数少ないパワーカップルが、都心近郊のマンション市場でそれなりの存在感を示している。夫婦合わせて住宅ローンを組んで6000万円から1億円超のマンションを購入しているというのだ。

 理論的には可能だ。区分所有権を負担額に応じて按分し、それぞれが住宅ローンを組む。簡単に言えば、夫婦合わせて1400万円の世帯年収があれば、年収1400万円のサラリーマンとほぼ同額の住宅ローンが借りられる。今なら年収の7倍くらいまではローン審査が通るから、合わせて9800万円程度の住宅ローン融資が可能になる。

 しかし、果たしてそういったマンションの購入に死角はないのだろうか?

 私は一般消費者から住宅購入の相談を受けることが多い。彼らの住宅購入に対する感覚を見ていると、年収1200万円から1500万円を境に大きく変わる。年収がそのあたりに達すると「自分が高額所得者だ」とお考えになるタイプが多い。

 確かにその通りだ。給与所得者全体から見れば100人に2人くらい。それだけを見ていると完全な「勝ち組」になる。ただ、それで人よりも贅沢な暮らしができるかというと、それは住居費にいくら使うかによる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン