ライフ

「尊厳死宣言」が8か月で1000件超、急増の背景は

「尊厳死宣言」申告マニュアル(専門家への取材をもとに作成)

「生命を維持するために、点滴で栄養や水分を送り続けると、体がだぶだぶの状態になるんです。お医者さんの中には、『溺れる』と表現する人もいるそうです。たしかに父の命はつなぎ止めましたが、果たして最善の選択だったのか……。答えは見つかりません」

 そう話す50代のAさんは、昨年、父親をがんで亡くした。病床で何本も管につながれた父の最期の姿が、今も脳裏から消えないという。

 病気や事故で回復の見込みがなくなった場合、無理に延命治療を施さず、自然な最期を迎えるのが「尊厳死」だ。文字通り、人間としての尊厳を保ったまま旅立たせるという考え方だ。

「尊厳死の基本は“望まない医療を受けない権利を守る”ことにあります」

 日本尊厳死協会関東甲信越支部理事で杉浦医院院長の杉浦敏之氏は、そう話す。

 どんな最期を迎えたいかは、それぞれの人生観によって異なる。最後まで病魔と闘い抜く考えの人もいれば、経管栄養と人工呼吸器をつないで生き続けることに抵抗感を示す人もいる。

 2025年には65歳以上の人口が全体の3割に達するといわれる。超高齢時代に、人生をどう締めくくるかは現代人にとって大きなテーマだ。そんな中、日本公証人連合会が、ある調査結果を発表した。今年1~7月に、公証役場で作成された『尊厳死宣言公正証書』(以下、尊厳死宣言)の数が、983件にのぼったという。

◆尊厳死宣言の文例は?

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン