さらに、リコの自宅に上海市警察の警察官が踏み込み、リコを警察署に連行し、事情聴取するなどして5日間も拘束したのち、リコは釈放された。拘束の根拠は、中国の全国人民代表大会(全人代=日本の国会に相当)常務委員会が昨年9月に採択した「中国国歌法」で、国歌を公共の場で侮辱するなどした場合、15日以下の拘留と罰則が定められている。リコを拘束した上海警察の担当者はリコに対して、「国歌は厳粛に立って歌わなければならない。国歌に対する冒涜だ」と指摘し、声明も出している。
釈放されたリコは「愚かでした。放送中ふざけた態度で国歌を歌ったことを謝罪します。私の行動を見て感情を傷ついたファン、ネットユーザー、そしてこの配信サイトに謝罪いたします。中国には一生服従します」などとの謝罪文を発表した。
しかし、RFAは「リコの事件では、あまりに当局のやり方は非人道的で、高圧的であり、表現の自由を奪うものだとの抗議が絶えず、警察署前の路上でクラクションを鳴らして抗議の意を表明する人々が後を絶たない」などと報じている。