ライフ

ノーベル賞で万能薬イメージ、がん免疫治療薬の注意点

ノーベル賞を受賞した本庶氏(時事通信フォト)

 京都大学の特別教授・本庶佑氏(ほんじょたすく・76)がノーベル医学生理学賞受賞を受賞したことでも広く知られることになったオプジーボなどのがん免疫治療薬。オプジーボは、『免疫チェックポイント阻害薬』の1つに分類される。

 全身の倦怠感、吐き気、脱毛──抗がん剤の辛い副作用に、治療を断念するケースは多かった。

 対するオプジーボとキイトルーダなどのがん免疫治療薬が“夢の治療薬”と呼ばれる理由に、副作用の少なさを挙げる声もある。ただ、当然ながら副作用のない薬はない。その現実もまた、認識しておく必要がある。医療ジャーナリストの松井宏夫氏が解説する。

「投与を受けた後に重篤な状態に突然陥るケースもあります。臨床試験が始まったばかりのころ、間質性肺炎で亡くなった患者さんがいます」

 日本臨床腫瘍学会によると、皮膚障害や肺障害、甲状腺機能亢進症、ギラン・バレー症候群、ぶどう膜炎といった副作用も予想されている。

“夢の薬”というフレーズが独り歩きすることは、決して望ましくない。

 オプジーボの販売・製造元である小野薬品工業も、患者・医療関係者向けサイト「オノオンコロジー」のなかで同薬による副作用の周知に努めている。サイトでは、間質性肺炎をはじめ、とくに注意すべき副作用の初期症状などを詳しく紹介している。投与を受けるかどうかを判断するにあたっては、医師や専門家の話を聞くとともに、患者やその家族がそうした公開情報をもとに、リスクについても理解を深めることが肝要となるだろう。

 同サイトでは、オプジーボの投与中や投与後24時間以内にアナフィラキシー、発熱、悪寒、発疹、めまい、ふらつき、頭痛などの症状が現われることについても、注意を促している。

関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン