「ぼくの家は共働きだったので、母親にあまりかまってもらえなかった。だから、こういうお母さんだったらいいなっていう思いもあるのかもしれません。
以前、さくらももこさんにお会いした時に、『ちびまる子ちゃん』の友蔵は、ご自身が祖父とあまり仲よくなかったので、“こういうおじいちゃんだったらいいな”という理想を描いたと聞きました。それが国民的人気キャラクターとなった。
うちの奥さんは子供と向き合う母親なんです。いつも本気で向き合って、怒って、笑って…。そういうこと、ぼくは子供の頃にあまりしてもらわなかったなって、ふと思うこともあります。だから自分自身の母親や妻が子育てする姿や、いろいろな要素が絡み合って生まれたのかもしれません。
お母さんに自分のことを肯定されて、守られているって、何より安心する。いちばん自信がつくことだと思うんです。漫画の中で、ごりらかあさんが車に轢かれそうになるシーンがあって、その時『死ぬとでも思ったの? かあさん、あんたがいる限り死ねないよ!』って、こたろうに言うのですが、とにかく母さんがいるから、あんたは絶対に大丈夫なんだって。
今の時代、みんな自信がなくなったり、不安になったりする人が多いと思うんです。だからこそ、そういう絶対に裏切らない味方、絶対大丈夫って言ってくれる圧倒的な存在、そういう人を作りたかった」
※女性セブン2018年11月15日号