原告の元徴用工(時事通信フォト)

 つまり、元徴用工に補償しなければいけないのは、日本政府でも新日鉄住金などの日本企業でもなく、補償金を“預かっている”韓国政府なのだ。

 だが、韓国政府は日本からの経済支援金を元徴用工たちに渡さなかった。1965年当時の韓国の国家予算は約3億5000万ドルであり、それに匹敵する額の日本からの経済支援は、インフラ整備などに充てられた。その結果として、韓国は「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長を遂げたわけである。

 そうした経緯を踏まえれば、「日本企業が元徴用工に補償しろ」という判決が、国際法はもちろん、物事の筋を大きく違えたものであることがよくわかる。

※週刊ポスト2018年11月16日号

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