国際情報

EUから学ぶ「移民」の教訓はネオナチなど極右勢力の台頭

今夏、スウェーデンの首都ストックホルムでネオナチがデモを行った Reuters/AFLO

 国民的議論がないまま、日本はなし崩し的に「移民国家」となりつつある。先行するEUでは国を分断する大問題に発展しており、専門家たちは警鐘を鳴らす。

 10月12日、政府は入管難民法などの改正案骨子を示した。これまで大学教授や弁護士など、高度な専門人材以外に外国人の就労目的の在留資格を認めなかった方針を大転換し、人手不足の深刻な分野に2つの在留資格を設けて長期間の滞在を許可する。介護や農業、建設など単純労働を含む十数業種での導入を検討するとされる。熟練の外国人労働者には家族の帯同を認め、在留期間更新の上限を設けないため、事実上の永住が可能になる。

 現在日本にいる外国人労働者は約128万人。政府は2025年頃までにさらに50万人超を受け入れる方針だ。「政府は実質的な移民政策に舵を切った」と指摘するのは、経済アナリストの森永卓郎氏だ。

「従来、安倍首相は『移民は認めない』と主張してきたが、『人手が足りないから賃金の安い働き手を確保してほしい』という経済界や地方自治体の強い要望があって、方針転換せざるを得なかったのでしょう。しかし安い労働力としての外国人の受け入れは天下の愚策であり、将来に必ず禍根を残します。

 まず安い労働力が大量に流入すると、賃金が圧倒的に低下します。いまは人手不足のため飲食店のアルバイトの時給が1000円を超えていますが、外国人労働者が流入したら2~3割は一気に下がる。年金だけでは暮らせずアルバイトをしている高齢者は収入が減少するどころか、職を奪われる可能性もあります。

 一方で安い労働力を得た企業は機械化などの省力投資のインセンティブを失うので生産性が向上せず、日本の国際競争力が失われます」

関連キーワード

関連記事

トピックス

永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン