外国人労働者の受け入れ拡大に向けた関係閣僚会議(2018年7月) 時事通信フォト

 不法滞在の不安もある。現在、国内では外国人技能実習生の失踪が相次ぎ、17年は過去最多の7089人が姿を消した。背景には劣悪な受け入れ実態があるとされる。

「この先、単純労働の外国人が大挙して訪日すれば、技能実習生と同様に職場から逃げ出し、不法滞留者となる怖れがあります。職を失った彼らがアンダーグラウンドに流れると犯罪の温床になる。政府は新制度で受け入れ態勢を強化するというが、奴隷のような職場環境がどこまで改善されるか不透明です」(森永氏)

 新制度では事実上の永住が可能になり、社会保障コストの激増も予想される。経済ジャーナリストの荻原博子氏は社会保障制度の維持が困難になる危険性を指摘する。

「例えば外国人労働者も健康保険に加入すれば、日本人と同様に医療費は原則3割負担です。医療費が上限額を超えた場合は高額療養費制度が適用されて超過分が払い戻されます。そのため、今、労働者を装って外国人が高額医療を受けに来日するという、不正利用事件が多発しています。

 イギリスでは移民を受け入れた結果、職を失った人たちを中心に『なぜ移民に自国民同様の手厚い社会保障が必要なのか』との不満が噴出し、移民の社会保障が制限されました。激しい論争で国内が真っ二つに分断され、ついにはEUを離脱することになりました」

 移民は安い労働力を欲しがる企業にとっては利益があっても、彼らの社会保障コストを負担するのは企業ではなく国民全体である。

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