韓国政府が認定した徴用工の人数は約22万6000人。大法院の判決後、政府機関や支援団体に「訴訟を起こしたい」という問い合わせが殺到しているという。新日鐵住金が賠償に応じて「1人1000万円」の支払いが“判例”になると、新たに22万6000人分の訴訟が起きて日本企業全体で2兆2600億円の賠償が突きつけられる可能性がある。しかも「53年前、あるいは日本統治時代まで遡って遅延損害金を求める」という無茶苦茶な主張まで飛び出している。
差し押さえされた場合も影響は深刻である。産経新聞は、
〈新日鐵住金は連結売上高の約3%を韓国向けが占めるが、韓国国内には製鉄所などの目立った資産を保有していない。このため差し押さえが実行されたとしても、経営への影響は少ないとみられる〉(10月31日付)
と報じているが、前述のように訴訟が拡大して賠償金額が膨らみ、韓国の取引先などへの売掛金がどんどん差し押さえられると、取引にも大きな影響が出かねない。
※週刊ポスト2018年11月23日号