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天皇陛下が泊まられた390年以上続く道後温泉の老舗旅館

両陛下が宿泊されたロイヤルスイートルームの和室

 これまでたくさんの旅をなさってきた天皇陛下。国民に少しでも寄り添おうと、移動された総距離は62万kmを超え、地球約15周半にも及ぶ。その旅路では、各地で幾度もご宿泊された。そこで、平成最後の今こそ訪れたい天皇皇后両陛下の旅した宿を、『旅する天皇』(小学館)の著者でもある竹内正浩さんにナビゲートしてもらった──。

 約3000年の歴史を持ち、日本三古湯のひとつともいわれる道後温泉。その中でもいちばんの老舗である『ふなや』は、江戸時代寛永年間(1627年頃)に開業し、両陛下は皇太子・同妃時代に2度訪れており、即位後は1993年の『第13回全国豊かな海づくり大会』の際に宿泊されている。『ふなや』の13代目であり、会長の鮒田泰三さんは、当時をこう語る。

「596年に聖徳太子が湯治に訪れ、体調が回復したことから、道後温泉は“再生の湯”と名高く、両陛下も道後の湯にゆっくり浸かられ、日々の疲れを癒されたようでした。おこぜ、鯛、えびなど、瀬戸内の魚介を使った地の料理も大変気に入ってくださって、中でも名物の“伊予柑寿司”を楽しみに召し上がってくださいました。現在も当時と同じ料理長が腕をふるっています」

 両陛下が滞在されたのは11月。まさに今なら同じく、瀬戸内の秋の味覚を存分に堪能できる。

 両陛下が宿泊されたのは、約150平方メートルのロイヤルスイートルームの『801号室』。洋室のリビングルーム、和室、寝室に加え、温泉の出る檜のバスルームを備えている。部屋は異なるが、昭和天皇も、1950年と1966年に訪れ、2度宿泊されている。

 100%掛け流しのアルカリ性単純泉は、優しくなめらかで美容に効果あり。『ふなや』は賓客が泊まる宿として皇族をはじめ、夏目漱石や正岡子規、与謝野晶子、新渡戸稲造などの文化人や、伊藤博文や原敬などの政治家にも愛された。

■道後温泉ふなや
住所:愛媛県松山市道後湯之町1-33

※女性セブン2018年11月29日・12月6日号

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