「この3年、チームを見ていてどこか選手の覇気のなさを感じているようです。そうした思いが背景にあるのか、やたらと“鬼軍曹”という言葉を使うんですよ。捕手に復帰する阿部についても、“鬼軍曹なところがあってもいいと思う”と話していました」

 スポーツ紙の原語録を拾っていくと、口酸っぱく若手に注意を与える元木大介守備打撃コーチについてもこう表現していた。

〈少し一つのボールで一体感が出てきたような気がするね。動きも指示も声も、最初に比べたらすごく上がったと思う。鬼軍曹がいるから〉(11月13日付 スポーツ報知)

 ちなみに同じ内容でも、別のスポーツ紙は次のように報じている。

〈(元木コーチは)目と鼻がたくさんついている。一つのボールで(チームの)一体感が出てきた。鬼軍曹(元木)がいるから〉(11月13日付 サンケイスポーツ)

 たしかに、チームに緊張感を与える存在を求めているようだ。

「“目と鼻がたくさんついている”は原監督独特の表現ですね。これをどこまで書いていいのか各紙とも悩んでいることでしょう。そのまま伝えると、意味が分からなくなる。でも、面白さが読者にも伝わると判断した場合は書けるのではないでしょうか」

 11月13日のスポーツ紙で、元木コーチを取り上げたのは報知とサンスポの2紙だけ。そのうち、読売系列の報知は“目と鼻がたくさんついている”をスルーし、フジサンケイグループのサンスポはそのまま掲載していた。原監督の発言を各紙がどう採り上げるのか、今後も注目していきたい。

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