ライフ

賛美歌からポップスまで「クリスマス・ソング」の奥深い世界

一口に「クリスマス・ソング」と言っても、その種類は様々

「日本の風物詩」クリスマス・シーズンがやってきた。現在では、10月末のハロウィンが終わればクリスマスというのが小売業界とメディアの常識となっている。よって本番1か月以上も前から、街はクリスマス一色だ。最近はハロウィンのほうがクリスマスより経済効果は大きいというデータもあるようだが、お祭り気分の盛り上がりは、やはりクリスマスに断然軍配が上がる。その理由は音楽だ。お正月もバレンタインもハロウィンも「日本のお祭り」だが、音楽とセットになっているのはクリスマスだけである。この違いは大きい。12月になると自然と浮き足立ってしまうのは、無意識のうちにそこかしこで耳に入ってくるクリスマス・ソングのせいなのだ。

 というわけで多くの人は、クリスマス・ソングをよく知っている。誰でも10曲ぐらいはスラスラとメロディを口ずさめますよね? クリスマス・ソングは子供から大人まで知っている地球規模の定番曲なのだ。

 だが、その発祥や、そこに込められた意味はほとんど知られていないのではないだろうか。「キリスト生誕のお祭りだから、賛美歌でしょ?」それもある。「西洋の伝統的な民謡?」間違いではない。でもそれだけではない。まずはクリスマス・ソングを体系的に分類してみよう。

 クリスマス・ソングには3種類ある。(1)キリスト生誕を祝う歌、(2)クリスマスを歌う歌、(3)クリスマスをネタにしたポップスの3つだ。

(1)は「賛美歌」のこと。これには詳しい説明の必要はないだろう。キリストの生誕を祝福するという、クリスマス本来の意義を込めた伝統的な楽曲だ。「きよしこの夜」「もろびとこぞりて」がそうだ。だから日本的お祭り騒ぎの場では、控えるべきものなのかもしれない。

(2)の「クリスマスを歌う歌」は、たとえば「オー・タネンバウム(もみの木、クリスマス・ツリー)」や「ひいらぎ飾ろう」のたぐい。前者はドイツ、後者はイギリスの民謡が発祥で、いずれもクリスマス・ツリーの用意をしてその日を待とうという歌だ。変わった由来があるのが「ジングル・ベル」。これは1800年代半ばに牧師によって作られたが、宗教的な意味はなく、もともと馬のソリでの雪遊びの歌だった。だがトナカイが牽くサンタのソリのイメージにぴったりということで、クリスマス・ソング化したらしい。ここまでは歴史あるクリスマス・ソングといえる例だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン