ライフ

「宮崎勤」と「派兵差し止め」に20年間を費やした人生

まんが原作者の大塚英志氏

 平成とはどんな時代だったのか。振り返り、忘れてはいけない記憶を記した一冊として、まんが原作者の大塚英志氏が取り上げたのは、平成の半ば、約十年を費やしたイラクへの自衛隊派兵の差し止め訴訟について記した自著だった。

●『今、改めて「自衛隊のイラク派兵差止訴訟」判決文を読む』/川口創、大塚英志著/星海社新書/900円+税

 宮崎事件の時、駆け出しだったぼくはつい調子に乗って事件に口を出し、『Mの世代』なんて愚かな本を出した記憶もあるが、思い出すのはそこに名を連ねた連中も含め同年代の描き手の身の処し方の軽やかさで、公判が始まると皆、消えていた。彼ら誰ひとり傍聴にさえ来ない法廷で、メディアで生きるとはそういうものか、と理解した。

 それから平成の最初の十年ほどを彼の公判につき合うはめになり、今も当時の全公判傍聴ノートや彼の手紙、精神鑑定書などが埃を被って仕事場にあるが、やっと、来年、海外の院生が引きとってくれることになった。30年経って異国からあの出来事がどう読みとられるのか。

 宮崎の後の数年は、平成13年になるのか、9.11の時も今は戦時下だと口走ってしまい、引けなくなり名古屋で起こしたイラクへの自衛隊派兵の差し止め訴訟であっという間に過ぎていった。

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン