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胃がん検査 バリウム検査凋落の反面、胃カメラは技術向上

苦しさを覚える検査だが…

 胃がんの検査は「バリウム」か「胃カメラ(内視鏡)」かの選択を迫られる。バリウムを我慢して飲み干した後、全身を検査台に固定され、グルグルと回転させられる──胃がんの検査で長く定番となっているバリウム検査での光景である。

 だが、バリウム検査の優位性はいまやほとんどないとされている。浜松オンコロジーセンター院長(腫瘍内科)の渡辺亨医師がいう。

「バリウム検査で撮った胃の画像は“影絵”のようなもので、シルエットだけでがんの有無を判断するのは難しい。発見率の低さだけでなく、被ばく量の多さや、バリウムによる便秘に苦しむこともあります」

 厚労省の「地域保健・健康増進事業報告」(2016年度)によると、1年間で13万人発生する新規の胃がん患者のうち、自治体のバリウム検査で見つかるのはわずか4500人。

 医療界でバリウム検査の“凋落”は著しく、多くの医師が、「いまや消化器専門医で自らの胃がん検査をバリウムで行なっている人は周りにいない」と口にするほどだ。

 一方で胃カメラ検査の技術は日増しに向上してきている。

「胃カメラ検査は直接胃の組織を採取でき、胃の内部に色素を散布して病巣の広がりも確認できます。胃がん検診のガイドラインでも推奨されており、死亡率の減少が望める効果的な検査方法です」(渡辺氏)

 実際、新潟市の胃がん検診では、バリウム検査よりも胃カメラのほうが、発見率が3倍も高かった。また胃カメラ検査は胃がんだけでなく、カメラの挿入時に食道がんのチェックができる利点もある。

※週刊ポスト2019年1月11日号

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