思い切って四角メガネにそれを伝えると、ものすごくイヤな顔をされ、「老眼鏡を忘れた? あっ、そお」。
何もそんな大声で言わなくてもいいのに!
◆「すみません」と、ひたすら頭を下げつつ、ついには…
9時ジャスト。いく筋かに並んだラインで作業を始める前に30代後半の女子社員からこれからすることと、注意点を早口で聞かされたらすぐに「では始めてください」。
よくのみ込めないまま始めると、さっそく30代が私のところに飛んできた。
「私の話、ちゃんと聞いてました?」
「すみません。よくわからなくて」
次に失敗すると、「私はこう教えましたか? あなたは、どうしろと聞きました?」と責められ、その次は「これで3回目ですよね?」。
かと思えば、「ふっ」と鼻を鳴らし、「あ・の・で・す・ね~」。
言葉はていねいだけど、要はバカ呼ばわりよ。
それでも“ポケットなし”の作業着を着せられているせいか、上からものを言う人には逆らえない…、という気持ちになる。
「すみません」
緊張して、混乱している私は、ひたすら頭を下げ続けた。だけどそれも元気なうち。夕方になってくたびれてくると、「すみまっせんっ」。
強い口調で謝りギレをしていた私。それを“30代”は見逃さなかった──。
※女性セブン2019年1月17・24日号