◆ピーナッツ(大粒落花生)には最強の発がん物質

 アフラトキシンはカビが作り出す強い発がん物質。長期摂取すると肝臓がんを引き起こすともいわれている。これまでの事例として、黄疸や嘔吐、下痢などがあり、重篤な場合は死亡している。

 2017年7月には中国産落花生からアフラトキシンが検出。5万2000袋が出荷され、27都道府県に出回り、回収を行った。

 違反事例も年間15件と多いが、熱に強く、炒め物などにしても毒性は消えないというから厄介だ。

「落花生は高くても国産を選ぶようにしてください」(小倉さん)

◆枝豆で肝障害

 王道のおつまみとして、また居酒屋ではお通しとして出されることも多い枝豆。中国産の枝豆については、除草剤「ハロキシホップ」の残留が指摘されている。こちらも規定以上の摂取で肝臓への障害が指摘されている。国内では使用が認められていない農薬だけに、注意を払いたい。

「居酒屋の枝豆のほとんどが中国産か台湾産です」(小倉さん)

◆しいたけでアレルギー誘発

 鍋料理などに欠かせないしいたけも、中国からの輸入品が少なくない。

「二酸化硫黄の残留が指摘されています。それは食料品の見た目をきれいにするための漂白剤に含まれる物質。気管支の障害やアレルギー性の異常過敏反応を引き起こす危険性があります」(小倉さん)

◆えび(冷凍)には変色防止剤

 中国産のえびでは「細菌数規定不適合」という違反事例があった。「細菌数規定不適合」というのは、温度管理をはじめとして衛生的な管理がされていないことを示し、食中毒の発生リスクをはらんでいる。過去には、えびの身をプリプリしたまま保つための保水剤として、多量に摂取すると、手足のしびれのリスクがある二酸化硫黄が日本での規定量以上に検出されたことがあった。

 それらの違反事例が報告されているように、国も輸入食品に対して目を光らせているわけだが、その検査の実効性に疑問を呈するのは、前出の小倉さん。

「検疫検査は『結果が出るまでは輸入しないでください』という形で行うのが理想的ですが、現実には無作為のモニタリング調査になっていて、ある程度サンプルを採ったら、そのまま流通させてしまう。

 過去には、サンプル調査で玉ねぎから殺虫剤『チアメトキサム』の残留が判明したのですが、すでに24万人分が市場に出て、口に入っていたということがありました。品物を留め置いて検査しなければ“ザル検査”といわれても仕方がない」

 結局のところ、毒食品から身を守るには、私たち自身が知識を身につけるしかないのだ。

※女性セブン2019年1月31日号

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