国内

天才囲碁少女の仲邑菫さん 義務教育優先主義は「雑音」か

仲邑菫さんと父の仲邑信也九段(写真/時事通信フォト)

 いま日本で最も注目されている9歳といえば、今年4月に史上最年少の10歳0か月で囲碁のプロとしてデビューすることが決まっている仲邑菫(なかむら・すみれ)さんだろう。1月23日には韓国・ソウルで行われた女流世界トップの崔精(チェ・ジョン)九段との記念対局があった。定先(最少のハンディ)で挑み惜しくも敗れはしたが、攻める姿勢を崩さず、能力の高さを示した。彼女はなぜそれほど強くなったのか。囲碁観戦記者の内藤由起子氏がレポートする。

 * * *
 世界で戦える囲碁棋士を育てるため、昨年末に新設された、小学生のみを対象とした「英才枠」での採用第一号となった菫さん。試験碁を打った張栩名人が、「この年齢でここまで到達するとは衝撃的」と脱帽するほどの才能の持ち主だ。

 国民栄誉賞を受賞した井山裕太五冠との対局では、定先で対局するも、途中まで菫さんが押す内容だった。菫さんを幼少時代から知る井山五冠も、ここ1年での長足の進歩に「恐ろしい」「素晴らしい才能の持ち主」と絶賛した。この碁を見た棋士たちの間では、すでにプロ棋士の真ん中ランクの実力があるともっぱらの評判だ。

 菫さんは、プロ棋士の仲邑信也九段と元囲碁インストラクターの幸さんの間に生まれた。幸さんの妹・石井茜三段も棋士という囲碁一家で育つ。

 3歳でルールを覚えると、瞬く間に上達していき、未就学児の大会で優勝。さらに女流アマの全国大会に大阪代表で出場するなど活躍し、囲碁界では名の知れた存在になった。

 どうしてそれほど強くなったのか──。ひとつは、3歳から毎日7~9時間を囲碁の勉強に費やしたというから驚きだ。大人でも大変な行為を、菫さんはこれまでずっと続けてきた。それも本人が進んでやったというからさらに驚く。

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
左が金井正彰・外務省アジア大洋州局長、右が劉勁松・中国外務省アジア局長。劉氏はポケットに両手を入れたまま(AFP=時事)
《“両手ポケット”に日本が頭を下げる?》中国外務省局長の“優位強調”写真が拡散 プロパガンダの狙いと日本が“情報戦”でダメージを受けないために現場でやるべきだったことを臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン