国内

暴力団幹部が語る「指を詰める」際の手順と作法

指を詰めるのにも作法が…

 警察の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、我々も映画などでは目にしたことがあるヤクザの指詰めの実態について。

 * * *
「まな板の上でノミか包丁でパン!と叩くと、ポーンと飛ぶ」

 飛んでいったのは落とされた小指。想像するだけでゾワッと背筋が寒くなるが、稼業の世界では今もこの指詰めが行われている。

 一般人にとって、指詰めは任侠ドラマやヤクザ映画の中のことでしかない。だがヤクザや暴力団員にとっては、ミスや不始末に対してケジメをつけるための1つの方法だ。その作法や実態とはどんなものなのか、暴力団幹部に聞いてみた。取材場所は都内の喫茶店。周りに人がいない席を選んで座る。

「指詰めは今だってある。昔ほどではないけどね」

 そう語る暴力団幹部の手には指が揃っているが、指詰めの介添えをしたことは何度かあるという。

「方法なんて簡単。まず、落とす指の根元を輪ゴムでしっかり縛る」

 彼らは指を詰めるとは言わない。指を“落とす”と言う。

「3~4分もすれば、血が溜まって固まって、感覚がなくなる」

 根元を縛られた指はうっ血して色が変わり、ヒンヤリと冷たくなり、次第に感覚がなくなってくる。

「感覚がなくなれば、まな板の上に手をのせて、パン!」

 そう言いながら、暴力団幹部は手刀を振り下ろした。

「ポーンて飛ぶんだよ、指先が。40センチくらい。けっこう飛ぶ」

 切られた指が宙を飛ぶというのも怖いが、稼業の世界にいれば、それにも慣れてくるのだろう。

「5分もあれば終わるよ」

 5分と聞いてその短さに驚いた。よほど目を丸くしたのだろう、暴力団幹部がこちらを見て笑い出す。

「5分というのは介添えがいればの話でね。1人でやろうと思えば、さすがに心づもりが大変だ」

 誰かに切断してもらえれば、指から目をそらすこともできるし、力まかせにパン!で一気に済む。だが1人で切断しようとすればそう簡単にはいかない。これから落とす指をじっと見つめ、その指にノミを当て一思いにと心を決めても、落とし損ねたら…と思うとノミを握る手が震えてくるという。

「すっぱり落としても、その後が問題でね」

 切断した後の問題とは何だろう?

「指をいつ持って行くか。病院に行く前に親(親分や親方)に持って行くか、病院に行った後に持って行くか…。行く前に持って行けば、『バカなことをしたな。早く病院に行ってこい』となる。病院に行った後に持って行けば、だいたいは『バカ野郎、なんで先にこっちに来ないんだ』と怒鳴られる」

 ここで、その人間の覚悟や資質が問われることにもなるらしい。せっかく指を落としたのに、ここを間違うと全てが水の泡になる。

「指を落とす理由はいろいろ。自分のミスや不始末だけでなく、昔は人のために指を落としたからね。自分の義兄弟、組の若い衆ために指を落とした。今では人のために指を落とすことはない。そんな義理人情は今は残っちゃいないよ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン