国内

世界的に見れば大学入試に偏向的な基準があるのは珍しくない

経営コンサルタントの大前研一氏

 大学入試シーズンに突入した。昨年は、医学部を中心に、性別や出身地など、公にされていない基準で入試選抜が行われていたことが次々と発覚し問題になった。経営コンサルタントの大前研一氏は、今こそ、日本の大学入試を転換する好機であると考える。新刊『50代からの稼ぐ力』も話題の大前氏が解説する。

 * * *
 いよいよ大学入試が本格化する。

 昨年は東京医科大学をはじめとする医学部の不適切入試が大きな問題となり、文部科学省は医学部医学科がある全国81大学を調査した結果、女子や浪人回数の多い受験生を不利に扱ったり、卒業生の子供や地元出身者を優遇したりしていた9大学を「不適切入試」と認定した。

 過去の入試で合格ラインを超えていた不合格者の追加合格を認めた一部の大学は、今春の募集定員を減らす方針を示したが、文科省は受験生への影響を考慮して定員超過を特例的に認めると発表。追加合格者が44人と多い東京医科大を除く8大学は募集定員をほぼ当初のまま据え置くことになった。

 文科省に不適切入試と認定された大学側は「女性は年齢を重ねると医師としてのアクティビティが下がる」(東京医科大)、「医師や病床数が少ない地域の出身者を優遇した」(神戸大)、「現役のほうが伸びる」(昭和大)などと弁明しているが、なかには意味不明なものもある。たとえば順天堂大は「女子のほうがコミュニケーション能力が高く、男子を救うため補正した」というが、患者の立場からすれば、医師はコミュニケーション能力が高いほうがよいに決まっている。順天堂大の言い訳は、大学と一般社会の常識のズレを如実に物語っている。

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト