芸能

榎木孝明 人の斬り方を分かった上でやる説得力ある殺陣

役作りへの熱い思いを語る榎木孝明

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、俳優・榎木孝明が、劇団四季を退団してテレビや映画などへ活躍の場を移していった時期について語った言葉をお届けする。

 * * *
 榎木孝明は一九八三年に劇団四季を退団、テレビや映画に活躍の場を移していく。

「四季がミュージカル劇団になっていく中で、ミュージカル漬けになることが僕の体質的にシックリ来なくなったんです。

『キャッツ』の企画を浅利慶太さんが考えている頃にたまたま僕は一人でヨーロッパに旅行していたんですが、その時にパリで『キャッツ』を観たんです。それで旅先から浅利さんに手紙を書きました。『この感覚は日本人が表現するのは無理です』って。当時は今と違って、日本は歌も踊りもレベルが高くありませんでした。ミュージカルも真似をする時代でした。そういう、感じたことをそのまま正直に書いて日本に送って、帰国したら子どもミュージカルの役を外されていて、二か月か三か月くらい干されました。

 そこからいろいろ積み重なって、『ここにはあまり長居できないな』という想いが募って。それでも結構良い役をやってましたが、辞めました。四季で教育されたことには凄く感謝しているのですが、自分の性格上は『やっていけない』というのが正直なところでした」

 八四年のNHK連続テレビ小説『ロマンス』でテレビドラマに初出演している。

「最初の頃は苦労しました。四季のメソッドというのは舞台用に作られたメソッドでしたから。言葉の一つ一つを明確にということで開口爽やかに喋らなきゃいけなかったりとか、そういうことを徹底的にやっていたので。ですからテレビでも、自分では自然にやっているつもりでも、喋り方がどうしても腹式になってしまう。振り返るにしても、大きく動いてしまったり。そういうのを現場で注意されながら、徐々に時間をかけてナチュラルにしていきました」

 八五年のNHK『真田太平記』では時代劇に挑戦している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

無期限の活動休止を発表した国分太一
「給料もらっているんだからさ〜」国分太一、若手スタッフが気遣った“良かれと思って”発言 副社長としては「即レス・フッ軽」で業界関係者から高評価
NEWSポストセブン
ブラジル訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《クッキーにケーキ、ゼリー菓子を…》佳子さま、ブラジル国内線のエコノミー席に居合わせた乗客が明かした機内での様子
NEWSポストセブン
1985年春、ハワイにて。ファースト写真集撮影時
《突然の訃報に「我慢してください」》“芸能界の父”が明かした中山美穂さんの最期、「警察から帰された美穂との対面」と検死の結果
NEWSポストセブン
”アナウンサーらしくないアナウンサー“と評判
「笑顔でピッタリ腕を絡ませて…」元NMB48アイドルアナ・瀧山あかねと「BreakingDown」エース・細川一颯の“腕組み同棲愛”《直撃に「まさしくタイプです(笑)」》
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《TOKIO・国分太一が無期限活動休止》「演者とスタッフは“独特の距離感”だった」関係者が明かす『鉄腕DASH』現場の“特殊な事情”
NEWSポストセブン
グラビアのオファーも多いと言われる中川安奈アナ(本人のインスタグラムより)
《SNSで“インナーちらり笑”》元NHK中川安奈アナが森香澄の強力ライバルに あざとキャラと確かなアナウンス技術で「ポテンシャルは森香澄以上」との指摘
週刊ポスト
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《スタッフに写真おねだりか》TOKIO・国分太一は「コンプライアンス上の問題行為が複数あった」…日本テレビに問い合わせた結果
NEWSポストセブン
不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《美女モデルと不倫》妻・観月あこに「ブラックカード」を渡していた錦織圭が見せた“倹約不倫デート”「3000円のユニクロスウェットを着て駅前チェーン喫茶店で逢瀬」
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
インドのナレンドラ・モディ首相とヨグマタ・相川圭子氏(2023年の国際ヨガデー)
ヨグマタ・相川圭子氏、ニューヨーク国連本部で「国際ヨガデー」に参加 4月のNY国連協会映画祭では高校銃乱射事件の生存者へ“愛の祝福”も
NEWSポストセブン