──あなたもドイツから帰国した後、畑違いの経営企画や財務などを担当した。
丸本:常務執行役員で財務を担当していた2008年の秋に、リーマンショックが起きました。手元の資金が目に見えてなくなっていくことがわかり、夜も眠れない日々でした。
資本提携していたフォード・モーターは離脱し、4期連続の赤字脱却のために資本の売却や中国事業の再編などの案件が山積していました。密度の濃い4年間ではありましたが、もう二度と経験したくないですね(笑い)。
●まるもと・あきら/1957年、広島県生まれ。慶應義塾大学工学部(現在の理工学部)卒業後、1980年、東洋工業(現在のマツダ)入社。1999年に取締役となり、常務執行役員、専務執行役員、副社長執行役員などを歴任。2018年6月より代表取締役社長兼CEO。
聞き手■福田俊之(経済ジャーナリスト):1952年、東京生まれ。経済誌編集長を経て、1999年からフリーとして自動車業界を中心に取材。著書に『最強トヨタの自己変革』など。
※週刊ポスト2019年3月1日号