ビジネス

マツダ・丸本明社長 わがままな先輩に鍛えられた設計部時代

昨年6月に社長に就任した丸本明氏(撮影/山崎力夫)

 トヨタ、日産など自動車業界に下方修正が相次ぐなか、マツダは2月6日に発表された第3四半期決算では通期営業利益見通しを100億円上方修正した。国内では「デミオ」、海外では「CX-5」「CX-9」などで支持を集める同社の強みとは何か。経済ジャーナリストの福田俊之氏が、昨年6月に第16代社長に就任した丸本明氏(61)に訊いた。

──このインタビューシリーズでは、まず「平成元年の自分」を振り返っていただきます。30年前、何をしていましたか?

丸本:私は広島・呉市の出身です。大学を卒業し、地元企業の旧東洋工業(現マツダ)に入社したのは昭和55年(1980年)でした。ですから平成元年(1989年)はちょうど入社10年目ですね。その頃は車両設計部のエンジニアとして、シャーシ(車台)のサスペンションの設計を担当していました。

 当時のマツダは国内の販売チャンネルが5系列もあり、新モデルを開発する際はそのチャンネルごとに5車種を投入しなければならなかった。それぞれの主査(チーフエンジニア)が色々なリクエストをしてくるのですが、サスペンションの設計担当は私1人だけ。腹の中では「主査とはなんてわがままなのか」と思いつつも、少しでも要求に応えられるよう一生懸命取り組んでいましたね。

 1990年代で思い出深いのは設計副主査として開発に関わった初代デミオ(1996年デビュー)です。

 今と違って労務管理にうるさくない時代でしたし、本当に忙しかった。それでも、どんなに忙しくても週1回は必ず飲みに行こうと仲間うちで決めていました。それがいい息抜きになりましたね。

 今になって振り返れば、わがままな先輩たちから厳しく注文をつけられながらも鍛えられて、学ぶことも多かった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン