中国情勢に詳しいジャーナリストの奥窪優木さんも、中国で作られたジェネリック医薬品の危険を指摘する。
「中国に5000~6000社ある製薬会社は、ほとんどがジェネリック医薬品をメインに製造するため、品質そっちのけで価格競争が激化しています。コストカットで検査がおざなりになり、安全性が確保されにくい。薬が常に不足している東南アジアやアフリカなど発展途上国を市場に狙っているのも、リスク管理が甘くなる要因です」
厚労省が国内199社の製造販売業者に調査したところ(2013年)、ジェネリック医薬品のうち約半分近くが輸入した原薬をそのまま使っていた。また輸入原薬のうち、韓国に次ぐ2位となる12.3%が中国で製造されている。8つに1つのジェネリック医薬品が中国産ということになる。
現在、国は医療費削減のためジェネリック医薬品の使用を推進し、2020年9月までに使用割合80%の到達を目標とする。そのため、最近は薬局でよくジェネリック医薬品を勧められる人も多いはずだ。
一般社団法人「国際感食協会」理事長で薬剤師の宇多川久美子さんはこう言う。
「中国のジェネリック医薬品が心配な場合は、国内の先発薬のメーカーが認定し、原薬や製法などが先発薬と同様の『オーソライズドジェネリック』を選べば安心できます。通常のジェネリックより高いですが、先発薬より安い価格で購入できます」
現在はネットを通じて、ダイエット薬や育毛・養毛剤、性機能増強のED薬などさまざまな医薬品を海外から個人輸入できる。医療機関で処方されていない薬はリスクが高いが、その中でも中国産は危険だ。
「“のめばやせる”と謳った中国産ダイエットサプリメントに認可外の抗うつ薬が含まれていたり、ED薬の中身が糖尿病治療薬だったり、育毛剤に農薬成分が入っていたこともあります。同様に価格の安いタイやインドの医薬品ならいいと思って個人輸入する人がいますが、それらの薬の原薬は実は中国製で、パッケージだけ違うというケースもある。そもそも安価な医薬品の個人輸入には手を出さないことです」(前出・郡司さん)
※女性セブン2019年2月28日号