芸能

俳優・榎木孝明 嫌みな役柄のポジションに抵抗なし、嬉しい

近年では悪役も多い榎木孝明

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、数多くの時代劇ドラマや映画に出演してきた俳優・榎木孝明が、一ヶ月半もかけた立ち回りの思い出、役柄の変化などについて語った言葉をお届けする。

 * * *
 榎木孝明は、NHK大河ドラマにも数多く出演、幅広い役柄を演じて強い印象を残してきた。

「思い出深い役は、『毛利元就』(一九九七年)での渡辺勝ですね。最後に殺される場面があるのですが、殺陣の林邦史朗先生が『僕がずっと温めている立ち回りがあって、誰もやってくれないし、できないんだけど、今回やる気あるか』って聞いてくるんですよ。普通はできないことを榎木ならやれると林先生が思ってくれたことがとても嬉しくて、『ぜひやらせてください』と即答しました。

 それは、十人くらいに槍で刺されて上に持ち上げられて、そこから落とされて、また立ちあがって戦う──という壮絶なものでした。引っ張り上げるタイミングとかも含めて、一か月半くらい前から稽古しました。

 普通、殺陣の撮影はNHKではリハーサルが一回あったらすぐに本番ですから、あんなに時間をかけて稽古した立ち回りは後にも先にもありません。そのぐらい林先生の思い入れのあるシーンに起用してもらえたのは、役者としても栄誉なことです」

 近年の大河ドラマでは『八重の桜』(一三年)での井伊直弼や『真田丸』(一六年)での穴山梅雪と、嫌みな役柄のポジションに回っている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン