各演目は1時間半ほど

 各演目は大里氏が総合演出を、振り付けはPerfumeらを手掛けるMIKIKO氏が担当している。過去、一座から世界的に有名なエンタメ集団シルク・ドゥ・ソレイユに移籍したメンバーもいることが物語るように、ステージのレベルとクオリティは高い。

「最近はYouTubeなどで知って、面白いと思って訪れる20代の若い女性のお客さんも増えています」と語るのは創設以来のメンバーで、現在キャプテンを務めるなおさん(30)。

 平成生まれのメンバーも、「知らない曲なのに、最初からノリやすかった」(はなさん・18)、「初めて聴いたのに、なぜか懐かしさを覚えた」(ゆいさん・22)と言う。現在、若者たちの間で昭和歌謡を好む人が増えているというが、虎姫一座はその象徴かもしれない。

「偉大な芸人の方たちを輩出したレヴューの本場・浅草で活動することに大きな意味があると思います。人間味のある街で、私たちも街に育ててもらっている感覚があります」(なおさん)

 世代を超え日本人に刻み込まれた昭和歌謡のリズムとメロディは、平成の次の時代にも受け継がれていくだろう。

◆とらひめいちざ/2010年結成。日本のエンターテインメント発祥の地、浅草六区を拠点に、昭和歌謡のレヴューショーを上演し3400回を超えるロングラン公演を成功させる。歌とダンスはもちろんのこと、パントマイム、和太鼓、アクロバットなどを採り入れた、懐かしくて新しいショー構成で人気を博している。

撮影■小倉雄一郎 取材・文■鈴木洋史

※週刊ポスト2019年3月8日号

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