自信家というイメージの強い田原から、大吉が引き出した意外な言葉だった。
2018年12月5日、大吉が水曜パーソナリティを務めるTBSラジオ『たまむすび』の『月刊ニッキ』というコーナーで、少年隊の錦織一清は田原俊彦の『悲しみTOOヤング』を流した後、こう語っていた。
「ものすごく練習する人なんです。それ見て、僕も刺激を受けたんですけど。(新曲の)振り付けをもらった夜から明け方まで、ずっと鏡の前で、ずっと自分のモノになるまで練習が必要だ、とずっとやる人でしたね。何も考えずに動けるようになるまで、慣らして動けるようになるまではやらなきゃいけないんだと僕は教わったから、トシちゃんに」
他にも大吉は、田原が高校卒業間近のエピソードを語り終わると、「卒業式の午後には(山梨から)上京されたんですよね」とサラッと挟み込んでいる。会話の端々に、資料を読み込んできたことを窺わせる司会ぶりだった。
番組では、田原俊彦の芸能人生を振り返る上で避けて通れない1994年2月17日の長女誕生記者会見での発言にも触れた。フリップにはこう書かれていた。
〈何事も隠密にやりたかったんだけど
僕くらいビッグになっちゃうと
そうはいきません
というのがよくわかりました、ハイ〉
当時の言葉のまま再現していたのだ。
実は、のちに大きく騒がれるこの発言は当初、たいして話題には上がっていなかった。その証拠に、翌日の記事で『ビッグ』をタイトルに使った朝刊スポーツ紙はない。
だが、3月になると『ビッグ発言』という呼び方が生まれ、世間には田原俊彦=傲慢というイメージが蔓延っていった。