行啓の際、両殿下はお二人揃ってではなく、二手に分かれて声を掛けられることがあった。なるべく多くの人たちと接せられたいというご希望からだ。そのため予定時間をオーバーすることもあり、東宮職の職員から「殿下そろそろお時間です」と声を掛けられることもある。
皇太子ご夫妻は、両陛下が大切になさってきたご公務のなさりようを引き継がれると同時に、人々との触れ合いは両殿下なりのやり方でこなされていくだろう。
さらに皇太子がこれまでご関心の高かった「水」のテーマも環境問題まで広げられたり、「次世代の明るい未来」として、各地の子どもたちの活動を視察することにも力を入れていかれたりするかもしれない。
「両殿下は福祉にかける思いも強いことから、これまで以上にたくさんの人々と交流をされていくと思います」(東宮職のある職員)
●とものう・なおこ/1961年生まれ。新聞、雑誌記者を経て2004年に独立、フリージャーナリストに。著書に『ザ・プリンセス 雅子妃物語』(文藝春秋)などがある。
※SAPIO2019年4月号