国内

インフルエンザに薬は必要ないと医師、抗生物質も不要論

医者がのまない処方薬一覧

 猛威を振るい、テレビなどでも毎日のように報じられたインフルエンザ。1回のむだけでウイルスの増殖を抑える新薬『バロキサビルマルボキシル』(商品名・ゾフルーザ)が注目を浴びたが、新潟大学名誉教授の岡田正彦医師は服用に懐疑的だ。

「出てきたばかりの新薬で、副作用がないか未知数。もう少し様子を見た方がいい」

 そもそもインフルエンザに薬は必要ないと断言する医師も多い。「クリニック徳」院長の高橋徳さんはこう言う。

「薬をのんでも、熱が下がるのが1日早くなるだけ。熱が出るのは体がウイルスを殺そうとする防衛反応だから、大騒ぎせずに家で寝ていればいい。『オセルタミビルリン酸塩』(商品名・タミフル)にも嘔吐や下痢、腹痛などの副作用がある。“因果関係が不明”という人もいるけれど、意識障害や異常行動などが表れて、若年の患者が飛び降りたこともあった。リスクがある以上、私は処方しません」

 高橋徳さんは薬だけでなく、インフルエンザの予防接種も意味がないと話す。

「打っても打たなくても、かかる人はかかる。ある病院の職員が、予防接種を受けていたにもかかわらず、全員インフルエンザになったケースもあります。効果が薄いわりに副作用があるので、私は受けたことがない」

 発熱や風邪で病院に行くと「とりあえず」という言葉とともに処方される抗生物質。しかし、ほとんどの医師は「必要ない」と断言した。東邦大学医療センター大橋病院・婦人科の高橋怜奈医師はこう解説する。

「抗生物質は細菌感染には効きますが、ウイルスには効果がない。そのためウイルス感染が主である風邪の時にのんでもまったく意味がありませんし、むしろ耐性菌を増やすため害になります」

 にもかかわらず頻繁に抗生物質が処方されるのはなぜなのか。

「万が一、肺炎を見逃していた時のためでしょう。しかし、その“万が一”のために抗生物質をのみ続ければ体内に耐性菌ができてしまい、本当に肺炎になった時に効かなくなる。のむのはレントゲンで肺炎が見つかってからでいい。しかもお腹を下しやすいなどの副作用もあるのです」(岡田さん)

※女性セブン2019年3月21日号

関連記事

トピックス

12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
悠仁さまが2026年1月2日に皇居で行われる「新年一般参賀」に出席される見通し(写真/JMPA)
悠仁さまが新年一般参賀にご出席の見通し、愛子さまと初めて並び立たれる場に 来春にはUAE大統領来日時の晩餐会で“外交デビュー”の可能性も、ご活躍の場は増すばかり
女性セブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情
(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト