国内

右派もリベラル派も天皇を担ごうと争っている状況に

佐藤優氏(左)と片山杜秀氏 撮影/田中麻以

 改元を控え、ポスト平成時代の天皇制が取り沙汰されるようになった。作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏と、思想史研究者で慶應義塾大学教授の片山杜秀氏が、現代の国民が期待する天皇像とはいかなるものかについて語り合った。

片山:平成の30年間は、今上天皇によって特徴づけられた時代でした。今上天皇は、即位4年目に中国を初訪問し、次の年には沖縄にも足を運ばれた。平成という時代は、沖縄と中国という昭和天皇にとって、あまりに生々しすぎた記憶と向き合うところからスタートしました。

佐藤:さらに今上天皇は中国訪問の前年の1991年には雲仙・普賢岳の被災者をお見舞いしていますよね。それから災害が起きるたびに被災地に赴き、被災者を慰める言葉をかけ続けた。

片山:災害が頻発し、戦後問題を抱えた平成とは今上天皇の思想や行動とリンクした時代だったと言えるのではないかと思います。

佐藤:だからこそ、ポスト平成を占う重要な要素が、次代の天皇となる皇太子の思想や行動です。

片山:しかしそこが見えてきませんね。皇太子は私の4学年上の世代だから、佐藤さんと同学年ですか?

佐藤:そうです。ただ、皇太子が我々の同世代として、共通する体験や感覚を持っているかといえば、そうではないと思います。菊のカーテンに守られて外部との交流は限られているし、学習院でもご学友に囲まれて学んでいた。

片山:皇太子個人については、学習院大学OBのオーケストラで演奏したといった話題しか報じられませんからね。

関連記事

トピックス

太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
《“手術中に亡くなるかも”から10年》79歳になった大木凡人さん 映画にも悪役で出演「求められるのは嬉しいこと」芸歴50年超の現役司会者の現在
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン