佐藤:天皇家の連続性を見ていくと、皇太子は次のいずれかの流れを受け継ぐのではないかと思うんです。昭和天皇は、明治天皇と重なる部分が多い。今上天皇には大正天皇との共通性がある。皇太子が明治、昭和の流れを汲むのか。あるいは父親の特徴を色濃く受け継ぐのか。

片山:歴史的に見ても、大正と平成という2つの時代の特徴や性質にも共通性が非常に多い。明治、昭和は右肩上がりに経済成長し、国際社会に地位を認めさせていくエネルギッシュな時代だった。その流れを受けた大正と平成には、急成長によってもたらされた課題が積み残された。大正、平成をその課題を処理する転換期と見ることもできる。またとても長かった明治、昭和に比べ、大正、平成は短期間で終わる。

佐藤:大正と平成は、関東大震災と東日本大震災という国の運命を変える大災害を経験していますね。

片山:そうなんです。政治面で言えば、大正は明治末期に伊藤博文ら維新の功労者が死んだり、高齢化したりして影響力が弱まったあと、官僚や政党、軍が好き勝手に動き出し、まとまりを欠いてくる。これは昨今の官僚や政治家の不祥事に重なります。あるいは、日露戦争が終わり、大正に入ると富裕層を中心に個人主義化、自由主義化していった。平成も資本主義、新自由主義が格差を生み出して、一人一人がバラバラに分断されたアトム化した社会になってしまっている。

佐藤:確かに共通点がありますね。私は、こうした危機的な社会背景が、今上天皇が「譲位」を選ばれたことと関係しているのではないかと考えているんです。

 3・11直後、今上天皇は「ビデオメッセージ」で被災地で活動する消防士や警察官、自衛隊員、海上保安官を激励した。あれは現行の憲法体系を踏み越える内容でした。

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン